ある日、サーバ会社からメールが入りました。

「PHPを最新にしてください」という通知、じわじわプレッシャー感じますよね。

PHPバージョンってそもそも何?アップデートしたほうがいいの?それとも待った方がいいの?という方へ
結論から言うと、WordPressブロガーは原則、PHPのバージョンアップは“やるべき”です。
ただし、正しい順序で準備しないと、サイトが真っ白…もあり得ます。
本記事では、アップデートのメリット・デメリット・安全な進め方を、
海外在住ブロガーのリアル運用目線で解説。最後にはチェックリストと復旧手順も付けておきます。
(本記事は、WordPress公式・Google公式・PHP公式・IPA(情報処理推進機構)の情報をもとに作成し、引用元リンクを明記しています)
【画像:PHP更新の警告が表示されたWordPress管理画面のスクリーンショット】
最初に結論
- やるべき理由は3つ:①セキュリティ ②表示速度 ③SEO(ユーザー体験)
- 気を付ける点は3つ:①テーマ/プラグイン互換 ②バックアップ ③切替後の動作確認
- 実践のコツ:本番前に「段取り」を整えたら、管理画面でワンクリック切替→チェック→問題あればロールバックでOK

ぼくは海外の低速回線でやってましたが、段取りさえ決めれば怖くない。むしろ表示速度が上がって嬉しさのほうが大きい。
PHPとは?(超ざっくり:WordPressのエンジン)


PHPは、WordPressを動かすエンジンのようなもの。外装(テーマ)や荷物(記事)が良くても、エンジンが古いと遅い・壊れやすい。WordPress公式の要件では、PHP 8.3以上が推奨です(引用元リンクは文末に一覧)。
【画像:エンジン(PHP)とボディ(WordPress)の模式図】
メリット:アップデートで得られる3つの伸びしろ


① セキュリティが段違いに堅くなる
古いPHPは脆弱性の温床になりがち。PHP本家のサポートはバージョンごとに期限があり、期限切れ(EOL)のものは新たな脆弱性が放置されます。IPA(日本の公的機関)も「古いソフトの放置は攻撃リスク」と繰り返し注意喚起。攻撃は静かに、突然にやってきます。
【画像:サポート期間(現行/セキュリティのみ/EOL)を帯グラフで】
② 体感でわかる表示速度の改善
PHP 7系→8系で処理効率が大幅向上。実測ベンチでは2倍前後の差が出るケースも報告されています。読者離脱の主因は「遅さ」。高速化は滞在時間↑・回遊↑・CV↑の土台です。
【画像:旧PHPと新PHPのレスポンスタイム比較棒グラフ】
③ Core Web Vitals(UX)とSEOの底上げ
GoogleはCore Web Vitals(LCP/INP/CLS)が良好なサイトを推奨。スコアは検索順位の直結要因ではないにせよ、UX向上は結果的にSEOを後押しします。体感が良いほど、ブックマークも増えます。
【画像:LCP/INP/CLSの説明アイコン3点セット】
デメリット(リスク):正しく準備すれば回避できる


1)テーマ・プラグインの非対応:更新が止まっているプラグインほど危険。→ 回避策:事前に最新版へ更新、互換性の告知がない場合は代替を検討。
2)一時的な不具合:フォームが送れない、編集画面が真っ白、エラーが出る等。→ 回避策:バックアップ+段階的切替+ロールバック手順の用意。
3)作業の心理的負担:「壊れたらどうしよう」→ 回避策:チェックリストに沿って進める。実はやることはシンプルです。
【画像:メリット/デメリットを左右2カラムで対比した図】
あなたのPHPバージョンは?(確認→判断の手順)
- WordPress管理画面 →「ツール」→「サイトヘルス」→「情報」→「サーバー」→ PHPバージョン を確認
- サーバーの管理画面(例:エックスサーバー/ConoHa/さくら/ロリポなど)でも確認可
【画像:サイトヘルス>情報タブのPHPバージョン表示のスクショ】
安全なアップデート手順(シンレンタルサーバの例)


Step 0:計画(いきなり本番切替しない)
- アクセスが落ち着く時間帯で実施(深夜・早朝)
- 作業前後のチェック項目を用意(後述の検証リストを使う)
- 緊急時のロールバック手順(復旧の道)を手元に
Step 1:バックアップ(必須)
- プラグイン派:UpdraftPlusなどで「ファイル+DB」を一括バックアップ
- サーバー派:スナップショット/自動バックアップを手動復元できるか確認
- 保存先はクラウド+ローカルの二重化が安心
【画像:バックアップ→クラウド/ローカルのフロー図】
Step 2:互換性の事前整備


- テーマ・プラグインを全て最新版に
- 更新が止まっているプラグインは代替案を検討(特に古いフォーム/キャッシュ/セキュリティ系)
- 必須機能(お問い合わせ/購入/会員)に関わるプラグインは優先確認
Step 3:テスト環境 or 段階的切替


- ステージングが使えるサーバーなら、まずはテストでPHP切替→動作確認
- 難しければ本番で切替→即テスト→問題あればロールバック
Step 4:サーバー側でPHPバージョンを切り替え


- エックスサーバー:サーバーパネル→PHP Ver.切替→ドメイン選択→8.3 など推奨を適用
- ConoHa WING:サイト管理→サイト設定→アプリケーション→PHPバージョン
- さくら/ロリポ等も「PHP設定」から同様
【画像:エックスサーバーの「PHP Ver.切替」画面のスクショ】
Step 5:動作確認(検証リスト)


- トップ/記事ページの表示(高速化・崩れの有無)
- 管理画面の投稿/固定ページ編集、画像アップロード
- フォーム送信・検索・会員/購入/予約等のクリティカル機能
- キャッシュ/最適化プラグインの有効・無効で比較
- Search ConsoleのCore Web Vitalsとレポートの確認
【画像:チェックボックス式の検証リストUI】
もし「サイトが真っ白」になったら(復旧ロードマップ)
- サーバーパネルからPHPを元のverに戻す(ロールバック) → 復旧確認
- それで戻らなければバックアップから復元
- 原因調査:
- wp-content/pluginsを一時的にplugins_oldへリネーム→特定
- エラーログ(server/php)を参照して不具合プラグイン/テーマを見つける
- 代替プラグインへ置換 or 開発元の更新/サポート待ち
【画像:ロールバック・復元・原因切り分けのフローチャート】
実録:PHP 8系に上げて起きたこと(体験談)
南米の出張先ホテルWi-Fiで実施。まずUpdraftPlusでバックアップ→エックスサーバーで8.3へ切替。体感が一番変わったのはエディタの軽さと画像アップロード時のもたつき減。一方、古いフォーム系プラグインが警告を出したので、即日で代替へ。作業前に「代替案を1個決めておく」だけでストレスは激減します。



“怖さ”の正体は「未知」。段取り化すれば、更新はただのルーティンになります。
よくある質問(FAQ)


Q1:更新しないとどうなる?
短期的には動きますが、脆弱性と速度低下のリスクが積み上がります。EOLのPHPは新しい脆弱性が放置されやすく、侵入後に気付きにくいのが怖い点。
Q2:どのバージョンに上げるのがベスト?
現時点のWordPress公式推奨はPHP 8.3以上。主要テーマ/プラグインが対応していれば、最新安定を選ぶのが基本。
Q3:互換性が不安…
最新版へ更新→ステージングで試す→本番の順序ならリスクは最小。いったん上げてダメなら即ロールバックできる準備を。
Q4:どれくらい速くなる?
テーマ/プラグイン構成次第ですが、処理が倍速級になるケースも。体感は「管理画面が軽い」「初回描画が早い」に出やすいです。
Q5:SEOに効くの?
PHP更新自体が直接順位を押し上げるわけではありません。しかし、速度や安定性の改善=ユーザー体験の改善は、Googleの推奨方針(Core Web Vitals重視)に合致します。
SWELLユーザー向け:実運用の小ワザ
- キャッシュ系を一時OFF:切替直後はキャッシュ/最適化プラグインを無効→動作OK→再有効が安全
- 画像遅延読み込みはデフォルト+必要に応じてCDN併用
- ブロック編集でエラーが出たら:プラグインのConsoleエラーを確認→犯人特定が早い
作業まるっと代行もOK(プロに任せるという選択)
「記事を書く」に集中したい方へ。サーバー契約/ドメイン取得/SWELL導入/PHP最適化まで、丸ごと構築サポートを提供中。海外在住ブロガーの事情(回線・時差・決済)も加味して進めます。→ サービス案内へ(LPリンク/アフィリ導線)
引用・参考資料



今回の記事に利用しました引用元です。記事の信頼性担保のため。
- PHP Supported Versions(公式):https://www.php.net/supported-versions.php
- PHP Unsupported Branches/EOL(公式):https://www.php.net/eol.php
- WordPress 要件(公式):https://wordpress.org/about/requirements/
- Site Health ドキュメント(公式):https://wordpress.org/documentation/article/site-health-screen/
- Google 検索セントラル:Core Web Vitals:https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-web-vitals
- Google 検索セントラル:Page Experience:https://developers.google.com/search/docs/appearance/page-experience
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構):脆弱性対策情報:https://www.ipa.go.jp/security/vuln/index.html
- (速度参考)PHPベンチ比較レポート:https://kinsta.com/blog/php-benchmarks/
まとめ:怖くない。「段取り」さえあれば、更新は味方
- 結論:PHPのアップデートはやるべき。理由はセキュリティ・速度・UX/SEO
- 準備:バックアップ→互換性整備→(できれば)ステージング
- 実行:管理画面で切替→検証リスト→問題あれば即ロールバック
- 運用:四半期に一度、「更新・点検デー」を作るとルーティン化できて楽



更新は“イベント”じゃなくて“習慣”に。未来の自分(と読者)の安心が買えます。
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